任意整理とは

手軽にできる債務整理

借金で苦しんでいて、現在の自分の経済状況では返済の見込みが立たない場合には、債務整理をした方がいいです。債務整理とは文字通り借金の整理をすることで、債務を圧縮などする手法です。こうすることで、その人の身の丈に合った返済計画に変えられます。債務整理には4種類あるのですが、手軽にできる方法に任意整理があります。なぜ任意整理が手軽かというと、ほかの3つの方法は裁判所を通して手続きを進めます。しかし任意整理は、債権者側と債務者側の直接交渉で、問題解決していきます。双方が納得すれば、他のどの方法よりもスピーディな問題解決が図れるわけです。

借金が少なくなる場合も

任意整理は通常、弁護士や司法書士のような専門家に依頼します。依頼すると弁護士や司法書士は、利息の引き直し計算を行います。借金を抱えている人の中には、過払い金といって、余計に利息を支払っている人がしばしばみられます。なぜこのようなことが起きるかというと、少し前まで事実上認められてきたグレーゾーン金利があったからです。それまで金利に関する法律は、最高で年利20%までの利息制限法と年利292%を上限とする出資法がありました。利息制限法には罰則規定がなく、出資法には罰則規定がありました。このため、20~292%の本来違法だけれども罰則を受けない金利で、ローン会社は利益を享受していたわけです。

罰則規定はないものの、違法な利息であることには違いありません。そこで利息制限法に基づき利息の引き直し計算を行い、もし余計に支払っていた利息があれば、それは元金返済に充当できます。何もしなくても、借金を圧縮できる可能性があるわけです。

利息の支払いがなくなる

通常、消費者金融などで借り入れした場合には、元金の返済とともに利息の支払いをする必要があります。この利息の支払いが負担という債務者もいるでしょう。任意整理では債務者側と債権者側が話し合いをして、無理なく債務者が返済できるような返済計画を新たに立て直します。この返済計画では、利息や遅延損害金といった、本来の消費者金融の借り入れの際には支払い義務のあるコストをカットできます。任意整理は、生活に支障をきたさない範囲で返済する方法を模索する手法です。借金返済で困っているのなら、任意整理による問題解決も視野に入れるのはいかがでしょうか?弁護士や司法書士で借金問題を専門的に請け負っているところに相談して、どうすべきか専門家のアドバイスをもらいましょう。

何もせずに問題解決できる

弁護士や司法書士に任意整理の依頼をした場合、彼らが債務者の代理人となって債権者側と交渉してくれます。債務者は一切この交渉の場に出ていく必要はありません。借金の返済ができないので減額してほしいとは、債権者に面と向かって言えないという人もいるでしょう。しかし弁護士や司法書士に依頼すれば、その問題も解決できます。また、交渉は専門家にすべてお任せできますし、裁判所での手続きのように本人出廷の必要もありません。債務整理しようと思っていても躊躇している人の中には、仕事の関係もあってなかなか時間が取れないという人もいるでしょう。その場合でも、任意整理であれば弁護士などにお任せできるので、手を煩わせることもないわけです。任意整理は手軽に行える債務整理の方法です。しかし、すべての人に任意整理がおすすめかというと、そうでもありません。借金の額やその内容、債務者の収入状況などを見て、より適切な債務整理の方法が見つかる可能性もあります。その債務整理が適しているかは、素人にはなかなか正しい判断ができません。その意味でも、法律事務所に相談をする必要があるわけです。

任意整理のメリットデメリット

任意整理のメリット

任意整理は、債務整理の中でもスピーディな解決が期待できる手法です。他の3つの方法と違って裁判所を通さずに、当事者同士での話し合いによる解決を目指すからです。官報などに載らないですし、弁護士や司法書士に依頼をすれば債務者が交渉のテーブルに着く必要はありません。このため、第三者に知られることなく問題解決できる可能性が高いのです。債権者と顔を合わせずに済むので、精神的な負担も軽減されます。

弁護士や司法書士に任意整理の依頼をすると、受任通知が債権者側に送付されます。そうすると債権者側は、皆さんへの一切の接触ができなくなります。電話もできなくなりますし、直接の取り立ても不可能になります。債務者が一番堪えることに執拗な取り立てがあります。いつ催促の電話がかかってくるか、目の前に債権者が現れるかと考えると、穏やかな日常生活が送れません。しかし受任通知を出してもらえば、普通の日常生活を取り戻せるわけです。

債権者を選んで整理できる

自己破産や個人再生といった債務整理の手続きを取ると、税理士や公認会計士などの資格が制限されることがあります。このため職種によっては、仕事が一時的にできなくなる恐れがあります。ところが任意整理の場合、このような資格制限の手続きがありません。ですから、仕事も続けながら借金問題を解決できるわけです。また、中には複数の借り入れ先があって、知人や友人など特定の人の借金だけはきちんと返したいと思っている人もいるでしょう。他の債務整理の場合、一律に整理をしないといけません。しかし任意整理の場合は、債権者を選んで整理することが可能です。迷惑をかけたくない債権者のいる場合には活用したい手法です。

任意整理のデメリット

任意整理のデメリットとして大きいのは、信用情報に事故情報が登録されることです。クレジットカード審査カードローン審査では、信用情報機関への照会がほぼ確実に行われます。事故情報の登録されている人は、審査否決されることがほとんどです。クレジットカードもカードローンも信用で相手にお金を融資するわけですから、事故情報のある人にはお金を貸せないわけです。また、現在クレジットカードを持っている人は、そのカードが利用できなくなるのもデメリットといえます。クレジットカード会社は、途上与信といって、カードを発行した後も信用に関する審査を定期的に実施しています。信用情報を見て、債務整理を行った事実が判明すれば、カード利用停止にするでしょう。

事故情報は、ひとたび載ってしまうと永久に消えないというわけではありません。信用情報機関によって対応が異なりますが、任意整理をしてから7年間は載り続けると思ってください。つまり、7年間はカードを作ることもローンを組むことも不可能になります。現金決済に移行しないといけません。ただしそれ以外に関しては、日常生活に大きな支障をきたすようなデメリットはないでしょう。

経験豊富な専門家に依頼する

任意整理はあくまでも任意です。このため、債権者が「任意整理には応じられない」と突っぱねた場合、この方法がとれないケースも出てきます。債権者の中には、この手の交渉を過去に幾度となく経験している業者もたくさんあります。こちらに十分な経験がないと足元を見て、突っぱねてくる場合があります。弁護士や司法書士に依頼する時には、借金問題を中心に担当している事務所を探すことです。それぞれの事務所によって、得意な分野とそうでない分野があります。借金問題に不慣れだと任意整理がうまくいかなくなります。また、相手の口車に乗せられて向こうに有利な条件で和解してしまうこともありうるので、事務所選びは慎重に行いましょう。